PSA前立腺がん検診、3つ目の大規模RCTは利益示せず:CAP試験
Effect of a Low-Intensity PSA-Based Screening Intervention on Prostate Cancer Mortality: The CAP Randomized Clinical Trial
背景
PSA検査による前立腺がん検診の意義については、ヨーロッパとアメリカの2つの大規模試験、ERSPCとPLCOが全く異なる結果を示し、激しい議論を引き起こした。イングランドUniversity of BristolのMartinらは、同国のプライマリーケア病院をクラスターランダム化し、50-69歳男性を単回のPSA検診に招待する介入が前立腺がん死亡率に与える影響を検証するCAP試験を実施した(n=419,582)。
結論
介入群の36%がPSA検診を受けた。うち11%でPSA高値がみられ、5,850名が前立腺生検を受けた。中央値10年のフォローアップ期間で、介入群で549名(1000人年あたり0.30)、対照群で647名(0.31)の前立腺がん死亡があった(率比0.96)。前立腺がん診断件数は介入群で増加したものの(1.19)、Gleasonスコア6以下の腫瘍の割合も介入群で高かった。全原因死亡に群間差はなかった(0.99)。
評価
最近ではERSPC試験とPLCO試験を実践背景の差から解釈しようとする研究なども現れていたが(http://doi.org/10.7326/M16-2586)、片側でERSPC試験を上回る、過去最大のRCTがネガティブ結果を示したことで、論争は新たな段階に入る。