予後についての「悪い知らせ」は患者との関係を害するか?
Impact of Prognostic Discussions on the Patient-Physician Relationship: Prospective Cohort Study
背景
進行がん患者では、予後についての情報を適切に共有することが重要とされる一方、「悪い知らせ」により患者と医師の関係を悪化させることが懸念されてきた。University of CaliforniaのFentonらは、ニューヨーク・カリフォルニアのがん診療所の腫瘍科医(n=38)と進行がん患者(n=265)において、予後に関する話し合い(Prognostic and Treatment Choicesの予後議論スケール; PDS)がその後の患者‐医師関係(The Human Connection; THC)に与える影響を調査した。
結論
予後についての話し合いは限定的であった(PDS平均4.1)。受診時のPTCCスケールの1単位増ごとに、受診2-7日後のTHCスケールは変化なし(0.10)、3ヶ月後のTHCは増加した(0.18、有意)。もうひとつのPerceived Efficacy in Patient-Physician Interactions(PEPPI)スケールには変化はなかった。
評価
予後についての話し合いは患者-医師関係を悪化させないだけでなく、場合によっては有益なものでもありうることが示唆された。

