TRK融合がんでTRK阻害剤Larotrectinibが有望
Efficacy of Larotrectinib in TRK Fusion-Positive Cancers in Adults and Children
背景
Larotrectinib(LOXO-101)は、トロポミオシン受容体キナーゼ(TRK)融合タンパクを選択的に阻害する新規分子標的薬である。Memorial Sloan Kettering Cancer CenterのDrilonらは、ルーチンな遺伝子プロファイリングによりTRK陽性であったがん患者で3件の第I/II相試験を実施し、Larotrectinibの安全性と有効性を評価した(n=55)。
結論
17種のTRK陽性腫瘍を有する、4歳から76歳までの患者が登録・治療された。第三者判定による全奏効率は75%であった。このうち1年時点で、71%の奏効が持続、55%が無増悪であった。奏効持続期間・無増悪生存期間は中央値未到達であった。Larotrectinib関連と判定されたグレード3・4の有害事象は5%未満であり、薬剤有害事象による治療中止はなかった。
評価
持続的な有効性と高い安全性を示し、FDAに新薬承認申請が行われている。一般的な癌腫においてTRK融合遺伝子異常を有する患者は多くはないものの、年齢・癌腫を限定せず効果が期待できる有望な新クラス薬である。