抗PD-1治療に病勢進行を超えた有効性:RECIST基準の妥当性に疑問符
Patients with melanoma treated with an anti-PD-1 antibody beyond RECIST progression: a US Food and Drug Administration pooled analysis
背景
免疫チェックポイント阻害剤治療を受けたがん患者における奏効パターンは、従来治療でのそれとは異なっていることが示唆されている。FDAのBeaverらは、切除不能・有転移メラノーマを対象とした抗PD-1抗体薬の申請データ(n=2,624)から、RECIST v1.1基準での病勢進行後に抗PD-1治療による腫瘍縮小がみられるか調査した。
結論
1,361名で病勢進行があり、うち51%は進行後にも抗PD-1治療を継続した。評価可能であった治療継続患者のうち、19%で30%以上の腫瘍量減がみられた。治療継続患者での全生存期間中央値は24.4ヶ月であり、非継続患者の11.2ヶ月よりも有意に長かった。治療継続後90日間の重篤有害事象率は43%、治療中止患者では54%であった。免疫関連有害事象は、継続群11%・中止群16%と同等であった。
評価
病勢進行後の継続投与はベネフィットが実証されていないため推奨されていないが、有効性を発揮する可能性がある。肺がん・腎がんでも同様の報告があり、RECIST基準による奏効評価が免疫療法の効果を過小評価していないか、検証される必要がある。