無転移前立腺がんでのapalutamide治療でMFS大幅延長:SPARTAN試験
Apalutamide Treatment and Metastasis-free Survival in Prostate Cancer
背景
アンドロゲン遮断療法(ADT)にもかかわらずPSA値が上昇する、遠隔転移を有さない去勢抵抗性前立腺がん(nmCRPC)では転移・死亡リスクが上昇する。Massachusetts General Hospital Cancer CenterのSmithらは、PSA倍加時間が10ヶ月未満のnmCRPC男性でのADTに追加して、非ステロイド性抗アンドロゲン薬apalutamide(ARN-509・JNJ-56021927)またはプラセボを2:1で割り付ける第III相ランダム化試験SPARTANを実施した(n=1,207)。
結論
無転移生存期間はapalutamide群で40.5ヶ月、プラセボ群で16.2ヶ月であった(ハザード比0.28)。症状悪化までの時間もapalutamide群で有意に延長した(0.45)。治療中止に至る有害事象は、各群10.6%・7.0%であった。発疹・甲状腺機能低下症・骨折はapalutamide群で多かった。
評価
中間OS解析では死亡リスクも30%低いことが明らかになっており、確立された治療のないこれら高リスク患者における新たな標準となりうる。NmCRPCでは、エンザルタミド(PROSPER試験、NCT02003924)やODM-201(ARAMIS試験、NCT02200614)の検証も進んでいる。