熱い茶による食道がんリスクは飲酒・喫煙者で大きい
Effect of Hot Tea Consumption and Its Interactions With Alcohol and Tobacco Use on the Risk for Esophageal Cancer: A Population-Based Cohort Study
背景
熱いお茶の消費が食道がんのリスクと関連するとした報告があるが、既知のリスク因子である飲酒・喫煙に影響されている可能性もある。中国Peking University Health Science CenterのYuらは、同国10地域におけるがん診断歴のない成人の長期追跡調査から、熱い茶の習慣的消費と飲酒・喫煙・その他の因子との関連を調査した(n=456,155)。
結論
追跡期間中央値9.2年で、1,731件の食道がん発症が報告された。高温の茶の消費は、飲酒または喫煙と組み合わさることで食道がんリスクの増大と関連した。茶の消費が週1度未満かつアルコール消費が一日15 g未満の参加者と比較して、非常に熱い茶を飲み一日15 g以上のアルコールを消費する参加者では、食道がんが5倍となった(ハザード比5.00)。同様に、非常に熱い茶を飲む現喫煙者でもリスクが大きく上昇した(2.03)。
評価
IARCは「65℃以上の飲料」をグループ2A(「発がん性がおそらくある」)に分類している。この研究では、非喫煙・少量飲酒者では茶によるリスク上昇は見らなかったものの、喫煙・飲酒によるリスクを増強する可能性が示唆された。