世界71ヶ国3,700万人のがん生存率トレンド:CONCORD-3
Global surveillance of trends in cancer survival 2000-14 (CONCORD-3): analysis of individual records for 37 513 025 patients diagnosed with one of 18 cancers from 322 population-based registries in 71 countries
背景
CONCORDは、地域がんレジストリからデータを収集し国別に比較する、世界的ながん疫学調査である。イギリスLondon School of Hygiene & Tropical MedicineのAllemaniらによるCONCORD-3は、世界71ヶ国322地域の集団ベースがんレジストリから、2000〜2014年にがんと診断された患者での生存率を調査した(n=37,513,025)。
結論
多くのがんの5年総生存率は、北米・ANZ・北欧諸国で高かった。5年生存率は、(肝がんや肺がんなど致死的ながんも含め)過去20年間で上昇する傾向にあったが、膵がんは致死的なままであった。東アジアの国では消化器がんの5年生存率が高かった(胃がんでは米33%・英21%に対し日60%・韓69%)が、これらの国では悪性黒色腫の5年生存率が比較的低かった(日本69%・韓60%・中50%)。小児の急性リンパ性白血病(エクアドルの50%からフィンランドの95%まで)や脳腫瘍(ブラジルの29%から80%近いスウェーデン・デンマークまで)など、大きな国際格差が見られた。
評価
CONCORD-2(https://doi.org/10.1016/S0140-6736(14)62038-9)からさらに1,000万人のデータを加えた最新の国際がん統計で、日本からは人口の40%をカバーするレジストリが参加している。各国の予防・治療政策に基礎的なデータを提供する。