CAR-T療法Tisagenlecleucel、B細胞ALLで高い寛解率示し初のFDA承認
Tisagenlecleucel in Children and Young Adults with B-Cell Lymphoblastic Leukemia
背景
CAR-T細胞療法であるtisagenlecleucel(CTL019)は、第I-IIa相試験において、B細胞急性リンパ性白血病(ALL)での高い完全寛解率を示している。University of PennsylvaniaのMaudeらは、再発・難治性のB細胞ALL小児・若年成人患者にtisagenlecleucelを投与し寛解率を検証する多国籍第II相試験ELIANAを実施し、事前計画解析の結果を発表した(n=75)。
結論
3ヶ月以内の全寛解率は81%、奏効患者の全員でMRD陰性であった。6ヶ月無イベント生存率は73%、全生存率は90%であり、12ヶ月では各50%・76%であった。寛解持続期間の中央値には未到達であった。グレード3・4の関連有害事象は73%で生じた。サイトカイン放出症候群は77%で生じ、うち48%がトシリズマブを受けた。
評価
同試験の先行結果によりCAR-T細胞療法としては初のFDA承認を受け、JULIET試験によりDLBCLについても適応申請中である(http://doi.org/10.1056/NEJMoa1708566)。重大な副作用としてサイトカイン放出症候群が多くの患者で見られたが、おおむね治療可能なものであった。