骨髄増殖性腫瘍での血栓リスクは診断直後が最も高い
Risk for Arterial and Venous Thrombosis in Patients With Myeloproliferative Neoplasms: A Population-Based Cohort Study
背景
骨髄増殖性腫瘍(MPN)では、血栓性イベントが好発すると報告されている。スウェーデンKarolinska UniversityのHultcrantzらは、同国集団をベースとする症例対照研究(MPN患者9,429名・マッチング対照者35,820名)により、MPN患者の動静脈血栓塞栓症のリスクを評価した。
結論
対照と比較したMPN患者の動脈血栓リスク(ハザード比)は、3ヶ月時点で3.0、1年時点で2.0、5年時点で1.5であった。同様に静脈血栓リスクは、3ヶ月9.7・1年4.7・5年3.2であった。このリスク上昇は、年齢群・MPNサブグループ間で一貫していた。血栓の5年累積発症率ははじめ急速に上昇し、その後はより穏やかな上昇となった。静脈血栓のハザード比は経時的に低下した。
評価
観察研究による示唆を症例対照研究によって確認した。診断後、血栓リスクは次第に低下し、経時的にも最近になるほどリスクが小さかった。治療・血栓予防戦略が成功・進歩した結果と考えられる。