骨髄増殖性腫瘍での血栓リスクは診断直後が最も高い
Risk for Arterial and Venous Thrombosis in Patients With Myeloproliferative Neoplasms: A Population-Based Cohort Study

カテゴリー
がん
ジャーナル名
Annals of Internal Medicine
年月
January 2018
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開始ページ
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背景

骨髄増殖性腫瘍(MPN)では、血栓性イベントが好発すると報告されている。スウェーデンKarolinska UniversityのHultcrantzらは、同国集団をベースとする症例対照研究(MPN患者9,429名・マッチング対照者35,820名)により、MPN患者の動静脈血栓塞栓症のリスクを評価した。

結論

対照と比較したMPN患者の動脈血栓リスク(ハザード比)は、3ヶ月時点で3.0、1年時点で2.0、5年時点で1.5であった。同様に静脈血栓リスクは、3ヶ月9.7・1年4.7・5年3.2であった。このリスク上昇は、年齢群・MPNサブグループ間で一貫していた。血栓の5年累積発症率ははじめ急速に上昇し、その後はより穏やかな上昇となった。静脈血栓のハザード比は経時的に低下した。

評価

観察研究による示唆を症例対照研究によって確認した。診断後、血栓リスクは次第に低下し、経時的にも最近になるほどリスクが小さかった。治療・血栓予防戦略が成功・進歩した結果と考えられる。

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取り上げる主なジャーナル(がん)

The Journal of the American Medical Association(JAMA)、Journal of Clinical Oncology (JCO)、Journal of the National Cancer Institute(JNCI)、Lancet、The New England Journal of Medicine(NEJM)、Cancer Research (Cancer Res)