炎症性の食事(肉・精製穀物・砂糖飲料)は大腸がんリスクを増す
Association of Dietary Inflammatory Potential With Colorectal Cancer Risk in Men and Women
背景
炎症が大腸がんの発症において重要な役割を果たすことはよく知られているが、食事に由来する炎症も大腸がんリスクと関連するか。Harvard T. H. Chan School of Public HealthのTabungらは、Health Professionals Follow-up Study(n=46,804)・Nurses’ Health Study(n=74,246)のコホートで、経験的食事性炎症パターン(EDIP)スコアと大腸がん発症の関連を検討した。
結論
2,699件の大腸がん発症があった。EDIPスコアが最低五分位であった個人での発症率は男性113件・女性80件(10万人年あたり)、最高五分位では男性151件・女性92件であった。高EDIPスコアは男性で44%、女性で22%の大腸がんリスク増と関連した。この関連は非飲酒の男性(ハザード比1.62)・女性(1.33)でより強かった。
評価
肉・精製穀物・砂糖飲料など炎症を引き起こす可能性がある食事と大腸がんリスクとの関連を、大規模な観察研究から実証した。食事介入による大腸がん予防のメカニズム解明に向けた重要な一歩である。