高リスク前立腺がんの発症を予測する多遺伝子リスクスコアを開発
Polygenic hazard score to guide screening for aggressive prostate cancer: development and validation in large scale cohorts
背景
前立腺がんの検診はPSA検査によって行われるが、偽陽性や低リスク前立腺がんの過剰診断という問題もある。University of CaliforniaのSeibertらは、PRACTICALコンソーシアム参加者の遺伝子型・PCaステータス・年齢データに基づき、侵襲的PCaを発症する年齢を予測する遺伝子ツールを開発(n=31,747)・検証(n=6,411)した。
結論
54のSNPからなるPCaリスクスコアは、検証セットにおける高リスクPCaの発症年齢を高い精度で予測した。スコアの高い男性(98パーセンタイル)では、平均リスク男性(30〜70パーセンタイル)と比した高リスクPCaのハザード比が2.9であった。このモデルに家族歴を含めても予測能は向上しなかった。また、PSA検診の陽性適中率は、多遺伝子リスクスコアが上昇するに従い増加した。
評価
検診の強度・開始年齢などに重要な示唆をもたらす新スコアで、PSA検診の最適化に役割を果たしうる。