自己免疫疾患患者での免疫チェックポイント阻害剤の有害事象:系統的レビュー
Use of Immune Checkpoint Inhibitors in the Treatment of Patients With Cancer and Preexisting Autoimmune Disease: A Systematic Review
背景
免疫チェックポイント阻害剤の使用はしばしば免疫関連有害事象(irAE)をもたらし、特に自己免疫疾患を有する患者では推奨されないことが多い。University of Texas MD Anderson Cancer CenterのAbdel-Wahabらは、自己免疫疾患の既往を有するがん患者での免疫チェックポイント阻害剤に関連した有害事象のエビデンスを系統的にレビューした。
結論
49報の研究から123名の患者が同定された。75%は既存の自己免疫疾患の増悪またはirAEを経験した。活動性と非活動性の患者で有害事象の差はなかった。チェックポイント阻害剤の使用開始時に免疫抑制療法を行った患者では、有害事象が少ない傾向があった。多くの炎症・irAEはステロイドで管理され、16%が免疫抑制を必要とした。3名が有害事象により死亡した。
評価
チェックポイント阻害剤の利用拡大に伴い、irAEの報告も増加している(http://doi.org/10.1056/NEJMra1703481)。基礎に自己免疫疾患を有する患者はirAEのリスクが高いと考えられるが、これら患者でのチェックポイント阻害の安全性についてのエビデンスは蓄積の途上である。


