ω-3サプリは一般人のうつ病予防には無益
Effect of Long-term Supplementation With Marine Omega-3 Fatty Acids vs Placebo on Risk of Depression or Clinically Relevant Depressive Symptoms and on Change in Mood Scores
A Randomized Clinical Trial
背景
一部の高リスク患者のうつ病再発予防のためにω3脂肪酸サプリメント(ω3)が使用されているが、一般集団のうつ病予防に使えるのか。Massachusetts General HospitalのOkerekeら(VITAL-DEP)は、ベースラインでうつ病診断またはうつ病症状のない50歳以上の成人18,353名を対象に、ビタミンD3(2000 IU/d)・ω3の効果を検証するRCTを行った(対照:プラセボ)。一次アウトカムは、うつ病発症件数+再発件数合計および気分スコア(Patient Health Questionnaire [PHQ-8])の差である。
結論
90.3%が試験を完了、治療期間中央値は5.3年であった。ω3の一次アウトカム効果を認めなかった。また、ビタミンDサプリメントとの間の相互作用もなかった。有害事象発生率にプラセボとの差はなかった。
評価
BWHが主導してポピュラーなサプリの効果を本格検証したVITAL-DEPの一部で、Vitamin Dの無効はすでに発表されている(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32749491/)。今回はω3の無効を示したものだが、MDDでの使用を担保したガイドライン(https://www.karger.com/Article/FullText/502652)も再検討が要求されよう。