「It’s not brain surgery!」 脳外科医はそんなに賢いのか?: 国際研究
"It's not rocket science" and "It's not brain surgery"-"It's a walk in the park": prospective comparative study

カテゴリー
生活習慣病
ジャーナル名
BMJ
年月
December 2021
375
開始ページ
e067883

背景

BMJよびものの「クリスマス論文」、今年のテーマは 「It’s not brain surgery(rocket science)!」 という慣用句が正しいのか、つまり脳外科医・宇宙工学者が一般人より賢い、という仮説の検証である。英National Hospital for Neurology and NeurosurgeryのUsherらは、欧米の脳外科医148人と宇宙工学者600人を対象にオンラインで認知能力テスト(GBIT)を行った。

結論

2集団で有意差があったのは、脳外科医が意味課題解決のスコアがより高いこと、宇宙工学者が心的操作と注意スコアがより高いことだけであった。2集団と英国一般人(約1.8万人)とに有意差があったのは、脳外科医は課題解決速度が早いが記憶想起速度が遅いということだけであった。

評価

高い研究規範と厳密な研究手法で実施され、ピアレビュー・プロセスを経てアクセプトされた質の高いリサーチであるが、結論は、「解決を急ぐ必要がない時には<脳外科手術じゃないんだからね!>という表現は許されそうだが、他状況ではこれら慣用句は意味をなさない」ということであるという。脳外科医や宇宙工学者の認知能力は一般人口と大差はないし、劣っている部分もある、とも解釈できる。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(生活習慣病)

Journal of the American Medical Association (JAMA)、The New England Journal of Medicine (NEJM)、Lancet、Diabetologia、Diabetes Care (Diabetes Care)