CKDのT2D患者へのfinerenoneの有益性を示す:FIGARO-DKD
Cardiovascular Events with Finerenone in Kidney Disease and Type 2 Diabetes
背景
Finerenoneは、新規非ステロイド選択的ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)である。University of MichiganのPittら(FIGARO-DKD)は、RAAS阻害薬で治療されていた慢性腎臓病(CKD)患者(UACR30〜300未満、eGFR25〜90mL/分/1.73 m 2でステージ2〜4、またはUACR300〜5000、eGFR60mL/分/1.73 m 2のステージ1/2)のT2D患者に対する同薬の効果を検証するRCTを行った(n=7,437; 対照:プラセボ)。一次アウトカムは、心血管死・非致命的心筋梗塞・非致命的脳卒中・心不全入院の複合である。
結論
Finerenoneの一次アウトカム効果を認めた(HR、0.87)。二次アウトカムでも実薬が優れた(腎不全・eGFR持続的低下・腎臓原因死のHR、0.87)。有害事象発生に群間差はなかった。高K血症関連治療中止率は実薬群が高かった。
評価
同薬に関してはすでにFIDELIO-DKDがあり(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33264825/)、今回のFIGARO-DKDと併せ同薬のファーストインクラス効果が確定された。SGLT2阻害薬との併用は有益と考えられ、その検証は次の課題である。