発酵食品・食物繊維の腸マイクロバイオータへの効果を詳細検討
Gut Microbiota-Targeted Diets Modulate Human Immune Status
背景
腸マイクロバイオータをターゲットとする食事改善の研究が進んでいる。Stanford School of MedicineのSonnenburgらは、健康成人(n=18/各群) を対象として、食物繊維・発酵食品の複合効果を検証する17週のRCTを行った。血液・便サンプルを介入3週前・介入10週目・介入4週後に採集分析し、マイクロバイオータ組成・サイトカイン応答の変化を実測した。
結論
高繊維食群ではマイクロバイオータの多様性に変化はなかったが、マイクロバイオータ原糖質関連酵素(CAZymes)が増加した。サイトカイン応答はベースライン多様性に相応するものであった。他方、発酵食品摂取群ではマイクロバイオータの多様性が増加し、摂取量増加と相関した。また、炎症マーカーの減少もみられた。
評価
この領域を牽引するグループの最新研究で、先行研究(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32184365/)を裏付ける。発酵食品に関しては効果の種差、食物繊維に関してはより長期の介入効果の検討が必要である。