2004-2018年、中国人は肥満してきている
Body-mass index and obesity in urban and rural China: findings from consecutive nationally representative surveys during 2004-18

カテゴリー
生活習慣病
ジャーナル名
The Lancet
年月
July 2021
398
開始ページ
53

背景

1980年代から中国の肥満者数は増加傾向にあるが、近年の傾向は。中国Chinese Center for Disease Control and PreventionのWuらは、2004〜2018年に行われた同国6健康調査China Chronic Disease and Risk Factors Surveillance programme等のデータに基づき、地域・年齢・性別・社会経済的状況とBMI・肥満(BMI≧30 kg/m2)の長期・近時トレンドを検討するコホート研究を行った。

結論

平均BMIは2004年22.7 kg/m2から2018年24.4 kg/m2へと増加し、肥満罹患率も3.1%から8.1%へと増加した。2004〜10年間の毎年平均BMIの増加率が0.17 kg/m2だったのに対し、2010〜18年間は毎年0.09 kg/m2であり、同様に肥満率も2010年以前より2010年以降の方が増加率は小さかった(6.0% vs 8.7%)。2010年からの平均BMI増加傾向は都市部在住男女、また地方在住男性でゆるやかになったが、地方在住女性ではそうでなかった。2018年では平均BMIは都市部よりも地方部女性においての方が高かったが(24.3 kg/m2 vs 23.9 kg/m2)、男性ではそうでなかった(24.5 kg/m2 vs 25.1 kg/m2)。全6調査において平均BMIは教育レベルが高い女性の方がそうでない女性よりも低かったが、男性では逆相関がみられた。全体として2018年で18〜69歳の8500万人(男性4800万・女性3700万)が肥満であり、この数字は2004年の3倍だった。

評価

富裕化に伴う中国人の肥満化を明らかに示した。子供でも同様の傾向があり、都市-農村差は縮小している、との報告がある(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6500219/)。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(生活習慣病)

Journal of the American Medical Association (JAMA)、The New England Journal of Medicine (NEJM)、Lancet、Diabetologia、Diabetes Care (Diabetes Care)