体脂肪減を目的としたファスティングは単独では効果薄
A randomized controlled trial to isolate the effects of fasting and energy restriction on weight loss and metabolic health in lean adults

カテゴリー
生活習慣病
ジャーナル名
Science Translational Medicine
年月
June 2021
13
開始ページ
eabd8034

背景

過体重でない人の断続的断食(Intermittent fasting)に健康効果はあるのか。英University of BathのBettsらは、体脂肪の少ない健康成人36名(BMI20-25 kg/m2)を対象としてこれを検証するRCTを行った。被験者を、24時間の断食と1日おきの150%カロリー制限を行う断食+カロリー制限群、断食は無く75%カロリー制限を行うカロリー制限群、もしくは介入群同様の断食パターンで200%のカロリ摂取を行う断食+カロリー制限無し群の3群に割り付けた(3週間)。一次アウトカムは、体組成・エネルギー収支バランス・食後代謝である。

結論

カロリー制限群は体脂肪量のみの体重減があり(-1.91kg)、断食+カロリー制限群も体重減はあったが、体脂肪量の減量は少なかった。断食+カロリー制限なし群では有意な体重低下 もなかった。食後代謝に関しては3群とも有意差はなかった。

評価

マウスモデル実験(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20620991/)では効果は認められているが、ヒトを対象としたRCTは限られており、確定的なエビデンスはなかった。主唱グループからは異論が出ているようだが、同著者らは先行レビュー(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31023390/)でも断食のみの効果を疑問としている。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(生活習慣病)

Journal of the American Medical Association (JAMA)、The New England Journal of Medicine (NEJM)、Lancet、Diabetologia、Diabetes Care (Diabetes Care)