T2D・肥満に経口低分子GLP-1Rアゴニストdanuglipronが有望
Danuglipron (PF-06882961) in type 2 diabetes: a randomized, placebo-controlled, multiple ascending-dose phase 1 trial

カテゴリー
生活習慣病
ジャーナル名
Nature Medicine
年月
June 2021
27
開始ページ
1079

背景

Danuglipronは、2型糖尿病(T2D)・肥満をターゲットとした最初の経口低分子GLP-1R アゴニストである。Pfizer のSaxenaらは、メトホルミン療法をうけている同患者98名を対象に、同薬の安全性・効果を検証するプラセボ対照・無作為化・二重盲検・複数回昇順投与による第1相試験を行った。一次アウトカムは、有害事象(AE)、安全性に関する臨床検査、バイタルサインおよび12誘導心電図の評価であった。

結論

Danuglipronの一次安全性アウトカム良好を確認した。ほとんどのAEは軽度で、最も一般的であったのは嘔気・消化不良・嘔吐であった。検討用量間にAEの優位さはなかった。心拍数・収縮期血圧の微増を認めたが、ECGに臨床的有意の所見はなかった。

評価

論文アブストラクトには安全性アウトカムしか記載されていないが、学会発表では体重・血糖値への効果が報告されている。経口・低分子薬という事で「やせ薬」として汎用も考えられ、第二相試験が進行している。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(生活習慣病)

Journal of the American Medical Association (JAMA)、The New England Journal of Medicine (NEJM)、Lancet、Diabetologia、Diabetes Care (Diabetes Care)