リラグルチドは肥満治療のスタンダードを変える?
Healthy Weight Loss Maintenance with Exercise, Liraglutide, or Both Combined
背景
GLP-1受容体アゴニストを利用した肥満治療プログラムが探索されている。デンマークUniversity of CopenhagenのTorekov らは、運動・食事療法へのリラグルチド追加の効果を検証するRCTを行った(n=195)。非糖尿病肥満成人(BMI 32〜43)を低カロリー食8週後の1年間、以下の4戦略に割り付けた:中・高強度運動+プラセボ(運動群);リラグルチド+通常活動(リラグルチド群);運動+リラグルチド(併用群);プラセボ+通常活動(プラセボ群)。事前指定一次エンドポイントは、ITT集団における無作為化から治療期間終了までの体重の変化量である。
結論
リラグルチド併用の他全群に比較しての一次アウトカム有効性を認めた(運動群との比較で差-5.4 kg)。併用群では体脂肪率が3.9パーセントポイント低下し、低下度は運動群・リラグルチド群の約2倍であった。糖化ヘモグロビン値・インスリン感受性・心肺フィットネスでも改善が認められた。リラグルチド群では、心拍数上昇・胆石症が併用群より多かった。
評価
「抗肥満薬」として確立されつつある同薬が、従来の食事・運動療法と相乗効果をもつとした、肥満治療のスタンダードを変える可能性のある結果である。クラス間比較や、手術療法との比較も活発化しよう。

