60歳前のT2D発症は認知症発生リスクを倍増させる
Association Between Age at Diabetes Onset and Subsequent Risk of Dementia
背景
2型糖尿病(T2D)の発症時期と後年の認知症発症リスクの関連は。フランスUniversite de ParisのAmideiらは、英Whitehall II prospective cohort study(n=10,095, 男性67.3%, 1985〜1988年に35〜55歳)登録者を対象として、これを検討する後向コホート研究を行なった。T2DはFBS126 mg/dL以上かつ糖尿治療薬の使用と、認知症発症は電子カルテ記録と、定義した。
結論
追跡期間中央値31.7年で、T2D1710例・認知症639例の発症があった。多変量調整後、非DM70歳者と比べ、10年以上前のDM発症者の認知症発生ハザード比は2.12、6〜10年で1.49、5年前以下では1.11だった。
評価
DMと認知症の関連の研究は蓄積されているが(https://spectrum.diabetesjournals.org/content/29/4/210)、大規模長期データで発症時期が早いほどリスクが高い、という関連を示した。最近では、経鼻インスリンでAD患者の認知障害を改善できる、とするSNIFF仮説もある(https://www.mayo.edu/research/clinical-trials/cls-20148833)。


