NASHへのセマグルチド使用は有望?
A Placebo-Controlled Trial of Subcutaneous Semaglutide in Nonalcoholic Steatohepatitis
背景
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)にGLP-1受容体作動薬が有効であることが示唆されている。英国University of BirminghamのNewsomeら(NN9931-4296)は、生検確定、肝線維化ステージF1・F2・F3の同患者320名を対象として、セマグルチド1日1回皮下注射の有効性・安全性を検証する第2相RCTを行った(対照:プラセボ)。一次エンドポイントは、肝線維化の増悪を伴わないNASHの軽快である。
結論
セマグルチドの一次エンドポイント効果を認めた(セマグルチド0.4mgでP<0.001)。しかし、肝線維化ステージ改善患者率に群間差はなかった。
評価
示唆されていた同薬の有益効果を支持する結果だが、肝にはGLP-1受容体がないという機構論的疑問や、試験での腫瘍(良性・悪性)発生頻度の増加可能性示唆があり、現時点でFDA承認される可能性は低いともみられる。