PUREに示す、高GI値食(ジャンクカーボ)の心血管疾患・死亡リスク
Glycemic Index, Glycemic Load, and Cardiovascular Disease and Mortality
背景
カナダが主導する栄養研究PUREは、長期・大規模調査により、アンケートに基づく観察研究としては最高レベルの信頼度を勝ち得てきた。同研究のJenkinsら(University of Toronto)は、5大陸の137,851名(35〜70歳)を対象に、7種の炭水化物食品の消費量に基づいてグリセミック指数(GI)とグリセミックロード(GL)を推定し、それらの心血管疾患・死亡リスクを検討した(追跡期間中央値9.5年)。一次アウトカムは、主要心血管イベント(心血管死・非致死的心筋梗塞・脳卒中・心不全)と全原因死亡の複合である。
結論
高GI食は、心血管疾患の既往の有無に関わらず、一次アウトカムリスク増と関連した(冠疾患既往あり:HR:1.51、なし:HR:1.21)。
評価
同研究は昨年「心血管疾患・死亡リスクの70%は修飾可能である」という論文を出しているが(https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(19)32008-2/fulltext)、食事は最も修飾可能な因子である。「カーボには、よいカーボとジャンクカーボがある」というPUREで分かりやすいメッセージを確立した。