メタボリックサージェリーはT2D治療的でありえる
Metabolic surgery versus conventional medical therapy in patients with type 2 diabetes: 10-year follow-up of an open-label, single-centre, randomised controlled trial
背景
2型糖尿病(T2D)患者への肥満外科手術の効果追跡は5年が最長だったが、RCT結果の10年追跡報告が現れた。英King’s College LondonのMingroneらによるもので、患者60名をRoux-en-Y胃バイパス術(RYGB)・胆膵路変更術(BPD)群と投薬治療群に割り付けた単一施設研究である。先行研究の一次エンドポイントは、2年での糖尿寛解(HbA1c<6.5%・空腹時血糖値<5.55 mmol/L・最低1年の休薬継続)であったが、同一エンドポイントの10年解析を行った。
結論
一次エンドポイント達成率は、投薬群5.5%、BPD 50.0%、RYGB 25.0%だった。また、投薬群と比べRYGB・BPD群では糖尿関連合併症発生が少なった。他方、重大有害イベントは BPDで最も多く報告された(BPD vs. 投薬 OR:2.7、RYGB vs. 投薬 OR:0.7)。
評価
大規模ではないものの、減量手術がT2Dに対し治癒的でありうることを初めて示すエビデンスである。Lancet公刊により、治療オプションとしての地位は確立されつつある。


