泥酔は後年の認知症リスクを倍増させる:決定版研究
Association of Alcohol-Induced Loss of Consciousness and Overall Alcohol Consumption With Risk for Dementia
背景
アルコールによる意識喪失は将来の認知症発生リスクと関連するか。英University College LondonのKivimakiらは、英・フランス・スウェーデン・フィンランドの7コホート研究データに基づき この問題を検討した。対象者はベースライン(18〜77歳)で飲酒歴を有する認知症の無い131,415名、平均追跡期間は14.4年、一次アウトカムは2016年時点での認知症・アルコール関連疾患である。
結論
交絡因子調整後、週1〜14 Unitと14 Unit以上の飲酒を比較した一次アウトカムハザード比は1.16、1〜21 Unitと21 Unit以上を比較したハザード比は1.22だった。飲酒による意識喪失の、認知症早期(<65歳)・後期発症リスクは各々HR:2.21・HR:2.25であった。アルツハイマー病(HR:1.98)・アテローム動脈硬化性認知症(HR:4.18)ともに、男性(HR:2.86)・女性(HR:2.09)で高リスクだった。意識喪失を経験したことの無い適度飲酒者(1〜14 U/週)と比較した場合、意識喪失経験者は飲酒量が適度(HR:2.19)でも過度(HR:2.36)でも認知症高リスクだった。
評価
この種の研究は多いが(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16222166/、https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20858964/)、これは決定版的な大規模コホート研究である。