栄養不足の途上国児にポリフェノール・ω3等のサプリを補給すると
Effects of food supplementation on cognitive function, cerebral blood flow, and nutritional status in young children at risk of undernutrition: randomized controlled trial
背景
栄養補助食品は栄養不足幼児童の脳機能を改善するか。Tufts UniversityのRobertsらは、ギニアビサウ共和国10地域での15ヶ月〜7歳児1,059名を対象としてこれを検証するRCTを行なった。児童を23週間、朝食時週5度の栄養補助食品投与群(NEWSUP、蛋白・植物ポリフェノール・オメガ3系脂肪酸を多く含む)・強化混合食糧群(FBF: Fortified Blended Food)・コントロール群(標準的米食)に割り付けた(等カロリー)。一次アウトカムはワーキングメモリである。
結論
4歳以下児において介入の一次アウトカム効果を認めた(RR:1.20)。また、貧血児童のヘモグロビン濃度増加、BMIzスコアの低下、除脂肪組織の生成増、脂肪量低下もみられた。ただし、4歳以上児では一次アウトカムにも貧血にも著効はなかった。
評価
現在行われている政策ではビタミン・ミネラル補給しか行われておらず、ポリフェノールやオメガ3脂肪酸にも有益性が認められた。しかしベースラインヘモグロビン値のばらつき等、途上国研究につきもののバイアスの可能性はある。