ドラッグナイーブT2D患者では各種血糖降下薬の有効性に大差はない
Comparative Effectiveness of Glucose-Lowering Drugs for Type 2 Diabetes: A Systematic Review and Network Meta-analysis
背景
今や多種多様となった成人2型糖尿病(T2D)患者への血糖降下薬間の比較は、重要な問題である。ギリシャAristotle University of ThessalonikiのTsapasらは、24週以上の介入期間を設けた21薬(9クラス)に関する453 RCTを対象とするシステマティックレビュー・ネットワークメタ解析を行った。アウトカムは、死亡・血糖値・心血管ステータスである。
結論
心血管疾患低リスクの薬剤未投与患者においては、治療薬間の有効性に差はなかった。メトホルミンベース治療への追加治療としてのインスリンレジメン、またGLP-1RAが最もHbA1c低下に寄与した。メトホルミンベース治療を受けている心血管疾患低リスク患者においては死亡・心血管アウトカムに治療薬間差はなかったが、高リスク患者においては経口semaglutide・empagliflozin・liraglutide・extended-release exenatide・dapagliflozin投与は全原因死亡リスクの低下と、また経口semaglutide・empagliflozin・liraglutideは心血管原因死亡リスクの低下と関連した。またsemaglutide注射、dulaglutide投与は脳卒中発生の低オッズと関連した。
評価
最大級のネットワークメタ解析で、有効性自体には大差はなく用法が大事、という一般的感触を裏付けた。重要な問題であるため最終結論ではなく、本格的5,000人規模のRCTも進行している(https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT01794143)。