短時間睡眠や睡眠時間変動は心血管疾患・死亡のリスクを高める
Association of Longitudinal Patterns of Habitual Sleep Duration With Risk of Cardiovascular Events and All-Cause Mortality
背景
睡眠の健康影響に関しては多くの研究が蓄積されている。中国Peking University(北京大学)のBaoらは、Kailuan study登録者52,599名を対象として、睡眠パターンの心血管イベント(CVE)・死亡へのインパクトを検討する前向研究を行った。パターンは、標準時間・安定(7.4〜7.5h)、標準時間から低下、短時間から増加 、短時間・安定(4.2〜4.9h)に分類した。一次アウトカムは、初回CVE(心房細動・心筋梗塞・脳卒中)、もしくは死亡の発生である。
結論
標準時間・安定パターンと比べ、「短時間から増加」パターンが初回CVE発生のリスク増と(HR:1.22)、「標準時間から低下」パターンが全原因死亡リスク増と(HR:1.34)関連し、「短時間安定」パターンはCVE(HR:1.47)・死亡(HR:1.50)リスクが最も高かった。
評価
短時間睡眠は高齢者においてのみ死亡率と関連するとした米国研究もある(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18714780/)。日本からは、睡眠は長すぎるのも(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28890167/)、短すぎるのも(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27743803/)高リスクである、というレビューが出ている。