スカンディナビア大規模観察研究がSGLT2阻害薬の腎保護効果を確認
Use of sodium-glucose co-transporter 2 inhibitors and risk of serious renal events: Scandinavian cohort study

カテゴリー
生活習慣病
ジャーナル名
BMJ
年月
April 2020
369
開始ページ
m1186

背景

2型糖尿病(T2D)患者へのSGLT2阻害薬使用は腎保護的であることが示唆されている。スウェーデンKarolinska InstituteのPasternakらは、スウェーデン・デンマーク・ノルウェー3ヶ国において、ベースラインで腎臓病を発症していない同患者を対象として、SGLT阻害薬(n=29,887[dapagliflozin 66.1%・empagliflozin 32.6%・canagliflozin 1.3%])とアクティブコントロール(DPP4阻害薬、n=29,887)との新規使用効果を比較する前向コホート研究を行なった。平均フォローアップ期間は1.7年、一次アウトカムは複合重大腎イベント(腎移植・腎死亡・腎イベント入院)発生である。

結論

DPP4阻害薬と比べSGLT2阻害薬は一次アウトカムリスク低下と関連した(HR:0.42、絶対差−3.6イベント/1000人年)。

評価

SGLT2阻害薬の大規模臨床試験DECLARE-TIMI 58(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30415602)・CREDENCE(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30990260)等を上書きする観察研究である。先行研究の欠点として挙げられた対照薬とサンプル選択を改良して現場感覚に近づけ、この効果に関するエビデンスレベルを上げた。

関連するメディカルオンライン文献

大規模臨床試験、新規の薬・機器・手法・因子・メカニズムの発見に関する文献を主に取り上げ、原文の要約と専属医師のコメントを掲載。

(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(生活習慣病)

Journal of the American Medical Association (JAMA)、The New England Journal of Medicine (NEJM)、Lancet、Diabetologia、Diabetes Care (Diabetes Care)