抗BET新薬apabetaloneはブレークスルーを貫けるか
Effect of Apabetalone Added to Standard Therapy on Major Adverse Cardiovascular Events in Patients With Recent Acute Coronary Syndrome and Type 2 Diabetes: A Randomized Clinical Trial
背景
Apabetaloneは BETファミリータンパク阻害薬で、ApoA-I・HDLの増強作用が期待されている。英Imperial College LondonのRayら(BETonMACE )は、同薬の急性冠症候群(ACS)後患者への効果を検証する第3相試験を行った(対照:placebo、n=2,425)。患者はT2Dを合併してACS後7〜90日以内であり、低HDL-C値であった。一次アウトカムは、心血管因死亡・非致死的心筋梗塞・脳卒中の初回発生までの期間である。
結論
Apabetaloneの一次アウトカム効果を認めなかった。介入群は肝酵素値上昇のため投薬中止が多かった。
評価
エピジェネティックにBETファミリータンパクを阻害するという興味深い薬である。著者らはパワーアップすれば有効性を示せるとみており、FDAはbreakthrough therapyステータスを認めている。未だ「失敗」薬ではない。