SGLT2阻害薬の心保護作用は血糖低下作用と独立:DAPA-HFが確認
Effect of Dapagliflozin on Worsening Heart Failure and Cardiovascular Death in Patients With Heart Failure With and Without Diabetes
背景
SGLT2阻害薬には血糖低下作用と独立の心保護作用がある、と示唆されている。英University of GlasgowのMcMurrayら(DAPA-HF)は、ダパグリフロジンのHFrEF患者への効果においてこれを検証するため、同第3相RCTの探索的再解析を行った(対照:placebo、n=4,744)。患者はNYHA II〜IVでEF <40%、NT-proBNP値増があり、一次アウトカムは心不全悪化もしくは心血管因死亡である。
結論
ダパグリフロジンのT2Dの有無と無関係の一次アウトカム効果を認めた(T2D有り HR:0.75 vs. 無し HR:0.73)。T2DのないHbA1c <5.7%患者での一次アウトカム発生HRは0.67、5.7%以上の患者では0.74だった。
評価
DAPA-HF本試験で示唆されていた関連(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1911303)を再確認した。機序に関しては利尿作用をはじめとして種々の提案があり、更なる探究を促す結果である。