ケタミン+METで軽度アルコール依存症を治療
A Single Ketamine Infusion Combined With Motivational Enhancement Therapy for Alcohol Use Disorder: A Randomized Midazolam-Controlled Pilot Trial
背景
ケタミンが軽度アルコール依存症治療に有効であるという報告がある。Columbia University のDakwarらは、平均1日5杯程度の飲酒を行う中高齢者40名を対象としてこれを検討するパイロット研究を行なった。被験者には5週間の外来動機づけ強化療法(MET)下の2週目に麻酔域下濃度のケタミン(介入群)とミダゾラム(対照群)を点滴静注した。断酒アウトカムは尿検査による。
結論
ケタミンはミダゾラムと比べ有意に断酒を継続させ 、再飲酒までの時間を延長し、重度飲酒日数を低減した。ケタミンによる有害事象はみられなかった。
評価
英UCLによる先行研究(https://www.nature.com/articles/s41467-019-13162-w)を裏付けるパイロット試験である。機序としては、ケタミンが記憶の再固定を阻害することによりアルコールへの渇望が低減される、という仮説である。ケタミンは鬱やコカイン依存にも有効であるとの報告もある。有望な手法である。