Harvard T.H. Chanがアメリカの大「疫病」肥満の動向を予測
Projected U.S. State-Level Prevalence of Adult Obesity and Severe Obesity

カテゴリー
生活習慣病
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
December 2019
381
開始ページ
2440

背景

肥満はグローバルなパンデミックだが、その有病率推計には自己申告バイアスがある。Harvard T.H. Chan School of Public HealthのWardらは、自己申告バイアスを補正する方法を開発し、全米の肥満(BMI)を州別・人口統計学的サブグループ別に推定した結果を報告している。Behavioral Risk Factor Surveillance System Surveyに参加した成人6,264,226名のデータを、NHANES参加成人57,131名の実測データを用いて自己申告バイアスを補正したものである。

結論

アプローチの予測精度を確認した。2030年までに米人の48.9%が肥満になること、肥満有病率が29州で50%を超え、どの州でも35%を下回らないであろうことが予測される。また、2030年までには24.2%が重度肥満になり、その有病率が25州で25%を超えるであろうことも予測される。重度肥満は、女性・非ヒスパニック系黒人成人・低所得成人で高率になると予測される。

評価

Harvard T.H. Chanによる深刻な「疫病」の精密な未来図である。ディスカウントスーパーの欧州チェーンLidlは、英国で幼児期からの肥満予防のため、2020年春までに砂糖を使用したシリアルのパッケージに漫画キャラクターを使用することをやめる、という(https://www.theguardian.com/business/2020/jan/03/childhood-obesity-lidl-remove-cartoon-characters-cereal)。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(生活習慣病)

Journal of the American Medical Association (JAMA)、The New England Journal of Medicine (NEJM)、Lancet、Diabetologia、Diabetes Care (Diabetes Care)