Harvard T.H. Chanがアメリカの大「疫病」肥満の動向を予測
Projected U.S. State-Level Prevalence of Adult Obesity and Severe Obesity
背景
肥満はグローバルなパンデミックだが、その有病率推計には自己申告バイアスがある。Harvard T.H. Chan School of Public HealthのWardらは、自己申告バイアスを補正する方法を開発し、全米の肥満(BMI)を州別・人口統計学的サブグループ別に推定した結果を報告している。Behavioral Risk Factor Surveillance System Surveyに参加した成人6,264,226名のデータを、NHANES参加成人57,131名の実測データを用いて自己申告バイアスを補正したものである。
結論
アプローチの予測精度を確認した。2030年までに米人の48.9%が肥満になること、肥満有病率が29州で50%を超え、どの州でも35%を下回らないであろうことが予測される。また、2030年までには24.2%が重度肥満になり、その有病率が25州で25%を超えるであろうことも予測される。重度肥満は、女性・非ヒスパニック系黒人成人・低所得成人で高率になると予測される。
評価
Harvard T.H. Chanによる深刻な「疫病」の精密な未来図である。ディスカウントスーパーの欧州チェーンLidlは、英国で幼児期からの肥満予防のため、2020年春までに砂糖を使用したシリアルのパッケージに漫画キャラクターを使用することをやめる、という(https://www.theguardian.com/business/2020/jan/03/childhood-obesity-lidl-remove-cartoon-characters-cereal)。