PM2.5への長期曝露は中国で脳卒中リスクを上げている
Long term exposure to ambient fine particulate matter and incidence of stroke: prospective cohort study from the China-PAR project
背景
PM2.5への長期曝露と脳卒中発生の関連は。中国Chinese Academy of Medical SciencesのGuらは、同国Prediction for Atherosclerotic Cardiovascular Disease Risk in China(China-PAR)プロジェクト登録の脳卒中歴のない男女117,575名を対象として、PM2.5と出血性・虚血性・全脳卒中発生の関連を検討する前向人口ベースコホート研究を行なった。
結論
登録者住所における2000〜2015年のPM2.5平均値は64.9 μg/m3で、フォローアップ期間900,214人年での脳卒中発生は3,540例だった。PM2.5曝露の第1四分位群に対する第3四分位群の全脳卒中・虚血性脳卒中・出血性脳卒中のリスク増を確認した(HR:各1.53・1.82・1.50)。曝露期間とのリニアな用量作用関連も確認した。
評価
現在まで最も大規模広範なコホートに関する長期研究で、中国の重大な公衆衛生問題を明示した。PM2.5は衛星を用いて正確に計測した、という。2017年のHarvard Chan研究は、アメリカ老人のPM2.5・オゾン短期曝露による死亡リスク増を確認している(https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2667069)。


