病的肥満成人の精神神経疾患関連遺伝子変異保有オッズは3倍
Evaluation of the Genetic Association Between Adult Obesity and Neuropsychiatric Disease
背景
極度の肥満(EO:BMI >50 kg/m2)が精神神経疾患(NPD)と関連する例が多い。カナダUniversity of TorontoのStahelらは、肥満外科手術を行ったEO成人(n=149)で、NPD関連遺伝子・領域のタンパク質短縮型変異(PTV)・コピー数多型(CNV)の有病率を評価した(探索群)。更に、University College LondonのEO患者(n=218)と肥満者(O:BMI 35〜50 kg/m2[n=374])、およびスウェーデンのOコホート(n=161)のCNVの有病率も評価した。これら集団でのバリアントの有病率を、Exome Aggregation Consortium/Genome Aggregation Databaseのコントロール患者と比較した。
結論
探索群でEO(NPD有病率77%)患者の累積PTV・CNVアレル頻度(AF)の高値を認めた(7% vs. 2.6%、OR:3.1)。UCLHのEOコホートでのCNVアレルAFではOR:1.95であったが、UCLHのOコホートではAFは対照群と同様だった。他方、CNVは、NPDでないスウェーデンのOコホートでは検出されなかった。
評価
臨床・疫学レベルで示唆されている関連(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5643876/)を、遺伝子レベルで初めて広汎に確認した。有力な発端研究である。


