小児のT1D発症リスクは自己抗体が多種であるほど高まるのか
The risk of progression to type 1 diabetes is highly variable in individuals with multiple autoantibodies following screening
背景
小児における1型糖尿病(T1D)発症リスクは、発現自己抗体の多様性(mAbs)と関連しているとみられている。University of FloridaのJacobsenらは、この関連を詳細検討するType 1 Diabetes TrialNet Pathway to Preventionスクリーニング研究を行い、参加者中1,815名のmAbs陽性小児のデータの解析結果を発表している。
結論
mAbs陽性者において、年齢とT1D発症リスクは逆相関していた(HR:0.97)。自己抗体の2種陽性者では、GADAが低リスク(HR:0.35)、 IA-2A(HR:2.82)は高リスクであった。IAA・GADA両陽性者の5年T1D発症リスクは17%に過ぎなかった。Index60値≧1.0と比較して、<1.0ではリスクが低かった(HR:0.23)。GADA陽性の12歳以上の参加者の12%では、IA-2A陰性、Index60 <1.0の場合、5年T1D発症率は8%であった。
評価
IA-2AとGADAのリスク意義に関しは 国際TEDDY研究の結果と一致するが(https://link.springer.com/article/10.1007/s00125-019-05047-w)、このPathway to Preventionは、「mAbsは必ずしも高リスクとも言えない」というニュアンスを示しているようである。