イギリス近未来における糖尿病有病率増の死亡・認知症・機能障害負荷へのインパクト
Potential impact of diabetes prevention on mortality and future burden of dementia and disability: a modelling study
背景
糖尿病は認知症の発症リスクを高める。イギリスUniversity of LiverpoolのBandoszらは、近未来に予測される糖尿病有病率増の死亡・認知症・機能障害負荷(burden)へのインパクトを検討した。同国の国家統計データを用い、2060年までに糖尿病有病率が26%増えると仮定した最尤シナリオをベースとしてインパクトを予測し、49%・20%・7%増のシナリオと比較した。
結論
2060年までに糖尿病有病率が49%増えたとすると、死亡者は255,000人、認知症患者は85,900人、機能障害者は104,900人ベースラインシナリオより増える。他方、同年までの糖尿病患者増が7%にとどまった場合には、ベースラインシナリオと比べ、死亡者は222,200人、認知症患者は77,000人、機能障害者は93,300人減る。
評価
当然予測される関連だが、このような国家規模での定量予測は初めてである。財政負荷の予測にも有用である。


