DM等慢性疾患での保険支払いにおけるバリュー基準は
Association Between Clinical Practice Group Adherence to Quality Measures and Adverse Outcomes Among Adult Patients With Diabetes
背景
アメリカではバリューべースの保険支払いが重視されており、品質指標の設定が重要問題である。急性疾患では利用ベースアウトカム指標が汎用されるが、糖尿病(DM)のような慢性疾患でもそれでよいか。Dartmouth Medical SchoolのGilstrapらは、886診療グループのDM患者652,258名の保険請求データに基づき、この問題を検討する後向横断研究を行った。一次アウトカムは、各診療グループに関する、現行のDM品質尺度におけるプロセス指標(HbA1c・LDL・スタチン使用)と疾病コントロール指標(HbA1c <8%・LDL level <100 mg/dL)である。加えて、DM・MACEによる入院、という利用ベースアウトカムを測定した。
結論
診療グループレベルでは、2検査指標間以外では異なる品質指標間の相関は弱かった。MACE・DM入院と最も強く相関したのはHbA1c <8%だった。しかし、診療グループレベルでのHbA1cコントロールは、個人レベルでの入院尤度と有意に相関していなかった。プロセス・コントロール指標のパフォーマンスによる、個人レベルでのMACE・DM入院の尤度変動の説明可能性は3.9%だけだった。
評価
慢性疾患患者管理の品質指標としては、利用(特に診療グループレベルでの入院)ベース指標は不十分である、という結論である。著者らは、アメリカにおける利用ベース指標の汎用化傾向に警告している。


