DM等慢性疾患での保険支払いにおけるバリュー基準は
Association Between Clinical Practice Group Adherence to Quality Measures and Adverse Outcomes Among Adult Patients With Diabetes

カテゴリー
生活習慣病
ジャーナル名
JAMA Network Open
年月
August 2019
2
開始ページ
e199139

背景

アメリカではバリューべースの保険支払いが重視されており、品質指標の設定が重要問題である。急性疾患では利用ベースアウトカム指標が汎用されるが、糖尿病(DM)のような慢性疾患でもそれでよいか。Dartmouth Medical SchoolのGilstrapらは、886診療グループのDM患者652,258名の保険請求データに基づき、この問題を検討する後向横断研究を行った。一次アウトカムは、各診療グループに関する、現行のDM品質尺度におけるプロセス指標(HbA1c・LDL・スタチン使用)と疾病コントロール指標(HbA1c <8%・LDL level <100 mg/dL)である。加えて、DM・MACEによる入院、という利用ベースアウトカムを測定した。

結論

診療グループレベルでは、2検査指標間以外では異なる品質指標間の相関は弱かった。MACE・DM入院と最も強く相関したのはHbA1c <8%だった。しかし、診療グループレベルでのHbA1cコントロールは、個人レベルでの入院尤度と有意に相関していなかった。プロセス・コントロール指標のパフォーマンスによる、個人レベルでのMACE・DM入院の尤度変動の説明可能性は3.9%だけだった。

評価

慢性疾患患者管理の品質指標としては、利用(特に診療グループレベルでの入院)ベース指標は不十分である、という結論である。著者らは、アメリカにおける利用ベース指標の汎用化傾向に警告している。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(生活習慣病)

Journal of the American Medical Association (JAMA)、The New England Journal of Medicine (NEJM)、Lancet、Diabetologia、Diabetes Care (Diabetes Care)