Retinol binding protein 3(RBP3)は糖尿病網膜症の発症を抑える
Retinol binding protein 3 is increased in the retina of patients with diabetes resistant to diabetic retinopathy
背景
糖尿病網膜症(DR)の分子基盤は明らかでない。Joslin Diabetes CenterのKingらは、Joslin MendalistコホートDM患者の網膜・硝子体のプロテオーム解析を行い、DRの発症と関連するタンパク質を特定し、さらにマウスモデルにおいてその作用機序を解析した。
結論
重度DRを発症していない患者におけるretinol binding protein 3(RBP3)発現増が特定された。マウスモデルでは、硝子体RBP3濃度とDR進行度に逆相関がみられた。RBP3の作用機序は、VEGFへの結合によるチロシンリン酸化阻害と、網膜内皮・ミュラー細胞におけるグルコース取り込み抑制である。
評価
RBP3とDMの関連には多くの研究があり、またRBP3は非DM性網膜症での保護効果が特許申請されている(https://patents.justia.com/patent/20180140626)。早期診断指標としても治療標的としても興味深い。


