無治療T2Dはアルツハイマー病発症リスク
Importance of Treatment Status in Links Between Type 2 Diabetes and Alzheimer Disease
背景
2型糖尿病(T2D)とアルツハイマー病(AD)との関連が注目されている。University of Southern CaliforniaのMcIntoshらは、Alzheimer Disease Neuroimaging Initiative(n=1,289)参加者を対象として、ベースラインで認知症のなかった参加者をフォローアップ横断時点で正常血糖(EU群)・プレT2D(PD群)・無治療T2D(UD群)・治療中T2D(TD群)各群に分類し、MRIおよび脳脊髄液(CSF)中リン酸化タウ蛋白(p-tau)・総タウ蛋白(t-tau)・β-アミロイド1-42(Aβ1-42)を評価した。
結論
UD群は、EU群・PD群・TD群よりp-tau・t-tau・p-tau/Aβ1-42レベルが高く、EU群・PD群よりt-tau/Aβ1-42レベルが高かった。UD群は、EU群より高率に認知症に進行していた(HR:1.602)。
評価
大規模集団でCSF中タウを実測し、T2Dは無治療の場合ADと関連するが、治療されている場合はADと関連しない、と示唆した興味深い研究である。