バングラディシュでのRCTで示す、「T2D予防にはスマホより集団セッション」
Community groups or mobile phone messaging to prevent and control type 2 diabetes and intermediate hyperglycaemia in Bangladesh (DMagic): a cluster-randomised controlled trial
背景
2型糖尿病(T2D)や中等度高血糖症が途上国でも増えてきているが、医療資源へのアクセスの悪いこのような地域では、地域巻き込み型予防戦略(community mobilisation)が重要となる。英University College LondonのFottrellら(DMagic)は、バングラデシュ96村落125,000名の成人を対象として、participatory learning and action(PLA)介入およびスマホを使う週2回のボイスメッセージ介入(mHealth)介入の効果を検証する3群間RCTを行った(対照:従来手法)。一次アウトカムは、介入終了時点における全T2D・中等度高血糖有病率、2年時点における中等度高血糖者のT2D転換率である。
結論
PLAサイクルは32村で1年半、mHealthは14ヶ月行った。PLAは直後一次アウトカムを劇的に改善し(aOR:0.36)、この効果は2年後も持続した(0.39)。mHealthには一次アウトカム効果はなかった。PLAのコストは、中等糖度高血糖からT2Dへの転換一人予防あたり$6,518であった。
評価
T2D予防へのPLAの効果を検証する最初の研究で、著者らは「驚くほど有効だった」としている。月1回の密接な集会をメインとするもので、村落状況では特に有効だった可能性がある。広大な地域のためスマホ介入が有効であればコストがかからないと期待されたが、無効であった。