T1D患者の腎障害・神経障害・網膜症の死亡率インパクトを比較
Effect of duration and burden of microvascular complications on mortality rate in type 1 diabetes: an observational clinical cohort study
背景
1型糖尿病(T1D)患者で微小血管合併症の有無や罹患期間が死亡率に与える定量的インパクトは不詳である。デンマークSteno Diabetes Center CopenhagenのBjergらは、同国Steno Diabetes Center Copenhagenレジストリ登録患者3,828名の電子カルテデータを解析した。
結論
26,665人年の追跡期間でコホートの死亡率は13%であった。多因子調整後、微小血管合併症のあるT1D患者の、ない患者に対する死亡率比は、糖尿病性腎症合併例で2.20、神経障害合併例で1.72、網膜症合併例で1.02であった。多合併症間には加法性はなかった。死亡率比は、神経障害・腎症の診断後急速に上昇し、神経障害・網膜症罹患期間とは独立していたが、腎症に関しては3年間上昇してプラトー化した。
評価
デンマークの高信頼度データにより、T1D患者の死亡に腎障害・神経障害・網膜症が与えるインパクトを定量比較可能にした。腎障害発症が最悪で、網膜症の発症は致命的でないという一般的印象が裏書きされた。


