老化T細胞が慢性炎症と高血糖症を駆動する?
Senescent T Cells Predict the Development of Hyperglycemia in Humans
背景
老化T細胞と慢性炎症・心血管疾患との関連が明らかにされつつある。韓国Yonsei UniversityのLeeらは、805名の参加するコホート研究により、末梢血老化T細胞レベルと正常耐糖能(NGT)・異常耐糖能(糖尿病前症[PD]・T2D)との関連を検討した。
結論
平均2.3年のフォローアップで、CD8+CD57+・CD8+CD28null T細胞レベルは、PD・T2D参加者がNGT参加者と比べ有意に高く、またその増加は高血糖と独立に関連していた。更に、ベースラインでNGTの参加者では、CD8+CD57+ T細胞レベルは後の高血糖症発症を独立に予測した。PD・T2D参加者はNGT参加者より内臓脂肪組織へのCD8+CD57+ T細胞の浸潤が多かった。
評価
同T細胞種の様々な病態との関連が明らかにされているが(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3173691/)、T2Dに至る慢性炎症での関連を示したのは初めてのようである。重要な仮説生成研究で、様々なフォローアップ研究を誘発する。