UKBiobankビッグデータで、「低リスク肥満」の遺伝子基盤を探索
Genome-Wide and Abdominal MRI Data Provide Evidence That a Genetically Determined Favorable Adiposity Phenotype Is Characterized by Lower Ectopic Liver Fat and Lower Risk of Type 2 Diabetes, Heart Disease, and Hypertension
背景
2型糖尿病(T2D)の遺伝子ベースに関し、様々な角度から検討が行われている。英University of ExeterのYingjieらは、UKBiobank50万人以上のデータに基づき、脂肪蓄積(腹部MRI)とGWASとの関連を検討した。
結論
高い脂肪蓄積率と同時に良好な代謝プロフィールと関連する14のアレル(うち7が新規同定)を特定した。このようなアレル保有者は、体脂肪率・BMIが高かったがT2D・心血管疾患・高血圧症リスクは低かった。このような「良好」アレルにはPPARG・GRB14・IRS1があり、最も逆説的なものはANKRD55で、高内臓脂肪でありながらT2Dリスクは低かった。
評価
UKBiobankのビッグデータを使って、「肥満だがT2Dにはならない」現象を解析する一連の研究の結論的なもの、「余計なTGをリスクの低い場所に貯蔵するメカニズムがある」を導き出した。ANKRD55はこのようなメカニズムでは説明困難で、更なる検証のための多数の仮説を生成する。