高血糖の耐糖能正常者へのインパクトは遺伝素因によらない
Effect of Chronic Hyperglycemia on Glucose Metabolism in Subjects With Normal Glucose Tolerance
背景
慢性高血糖はインスリン耐性を生じさせるが、糖毒性の基本機構や遺伝関連性は不詳である。University of TexasのShannonらは、2型糖尿病の家族歴がない(FH-)またはある(FH+)対象者25名に対する3日間の高血糖負荷試験によりこの問題を検討した。測定指標は、骨格筋糖利用・諸酵素活性・インスリンシグナリング・タンパク質O-GlcNAc化である。
結論
ベースラインでは、FH-群と比べFH+群はインスリン刺激性グルコース酸化・総糖利用(TGD)が低かったが、非酸化的糖利用・基礎内因性ブドウ糖産生(bEGP)は同等であった。3日間のグルコース負荷後、bEGP・グルコース酸化が顕著に増加する一方非酸化的糖利用・TGDは低下したが、FH-とFH+の間に差はなかった。インスリン抵抗性はFH-とFH+で同等に生じ、タンパク質O-GlcNAc化は増加しなかった。骨格筋への糖毒性の主因は、グリコーゲン生成活性化不足による非酸化的糖利用の減少とみられる。
評価
インスリン抵抗性の発現を含む高血糖の毒性が遺伝素因によらない直接的なものであることをよくコントロールされた負荷実験で示した。ここでの高血糖は+45mg/dLというマイルドなレベルのもので、臨床的意味もある。