ダパグリフロジンはMACEリスクを下げないが心不全リスクを下げる
Dapagliflozin and Cardiovascular Outcomes in Type 2 Diabetes

カテゴリー
生活習慣病
ジャーナル名
The New England Journal of Medicine
年月
November 2018
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背景

SGLT2iは一般に心不全リスクが低いとされているが、ダパグリフロジンはどうか。Brigham and Women’s HospitalのWiviottら(DECLARE-TIMI 58)は、動脈硬化性心血管イベントリスクのあるT2D患者17,160名を対象としてこの問題を検証するRCTを行った(対照:placebo)。一次安全性アウトカムはMACE(心血管因死亡・心筋梗塞・虚血性脳卒中)、一次有効性アウトカムは、MACE・全心血管因死亡・心不全入院である。

結論

フォローアップ中央値4.2年で、ダパグリフロジンの一次安全性アウトカム非劣性が示された。一次有効性アウトカムではダパグリフロジンにMACE発症抑制効果はなかったが、心血管因死亡・心不全入院のリスクを下げた(HR:0.83)。糖尿病性ケトアシドーシスはダパグリフロジン群で多く、レジメン中断による性感染症も多く見られた。

評価

CVD-REALが、このような心不全抑制効果がクラス効果であることを示しており(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28522450)、それを裏書きした結果となった。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(生活習慣病)

Journal of the American Medical Association (JAMA)、The New England Journal of Medicine (NEJM)、Lancet、Diabetologia、Diabetes Care (Diabetes Care)