リキセナチドの腎保護効果は?
Lixisenatide and renal outcomes in patients with type 2 diabetes and acute coronary syndrome: an exploratory analysis of the ELIXA randomised, placebo-controlled trial

カテゴリー
生活習慣病
ジャーナル名
The Lancet Diabetes & Endocrinology
年月
November 2018
6
開始ページ
859

背景

ELIXA試験は、GLP-1作動薬リキセナチドの急性冠症候群の2型糖尿病患者における心血管系安全性を示した。オランダUniversity Medical Center AmsterdamのMuskietらは、同試験の追加解析として、リキセナチドの腎アウトカムを検証した。今回の報告は、前指定されたUACRカテゴリーごとのUACRとeGFRの進行度である。

結論

フォローアップ中央値は108週で、ベースラインにおける微量アルブミン尿症・顕性アルブミン尿患者で有意の腎保護効果を認めた(後者で−39.18%)。HbA1c値および他の腎リスクファクターによる調整後も結果は同様だった。eGFRには有意差は認めなかった。

評価

ELIXAは同薬の心血管イベント低減効果証明を期待したものだったが、「安全だがイベントは減らない」という結果であった。主試験の二次アウトカムでも明確な腎保護効果は示せなかったが、今回の追加解析では、腎機能低下集団で一定の進行抑止効果がある、という結論となった。

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(制作協力:Silex 知の文献サービス

取り上げる主なジャーナル(生活習慣病)

Journal of the American Medical Association (JAMA)、The New England Journal of Medicine (NEJM)、Lancet、Diabetologia、Diabetes Care (Diabetes Care)