コントロール不良外来T1D患者でハイブリッド閉ループ「人工膵」の通常ポンプへの優位を示す
Closed-loop insulin delivery in suboptimally controlled type 1 diabetes: a multicentre, 12-week randomised trial
背景
コントロール不良1型糖尿病(T1D)患者へのday-and-night hybrid closed-loopインスリン投与システム(人工膵)が浸透してきている。英University of CambridgeのTauschmannら(APCam11 Consortium)は、同システムと通常のインスリンポンプ療法の有効性・安全性を比較するRCTを行った(n=86)。一次アウトカムは、ランダム化後12週間内でグルコースレベルが目標範囲(3.9〜10.0 mmol/L)内にある時間の割合である。
結論
人工膵の一次アウトカム優位性が示された(平均差10.8%ポイント)。HbA1cの低下度でも人工膵が優位であった(変化の平均差0.36%)。1日総インスリン投与量に差はなく、体重にも差はなかった。重度低血糖はなかった。人工膵群で輸液セット障害による糖尿病性ケトアシドーシスが1例発生した他、有害事象に差はなかった。
評価
外来状況で人工膵の使用効果を検証した最大にして最長の研究である。デバイスもアルゴリズムもさらに改善される可能性が高く、閉ループシステムの標準化を後押しする結果である。