「毎日低用量アスピリンで延命」臨床試験失敗
Effect of Aspirin on Disability-free Survival in the Healthy Elderly
背景
大腸がんや心血管疾患予防へのアスピリン効果の報告は、高齢者の健康寿命を延ばすために同薬を汎用できるのではないか、という仮説を生成している。オーストラリアMonash UniversityのMcNeilら(ASPREE)は、この仮説を検証するRCTを行った(対照:placebo、n=19,114)。70歳以上の健常者にアスピリン100mg/Dを5年間投与した。一次アウトカムは、死亡・認知症・身体障害の持続である。
結論
一次アウトカムに関しアスピリンメリットがないと判断して試験を早期終結した。二次アウトカムであった大出血発生率がアスピリン群で有意に高かった(HR:1.38)。
評価
意外だが明確なネガティブ結果であり、メディアでも取り上げられている。がん発生率も高いのではないかという疑いもあるようで、根本的見直しを迫る結果である。