ハイカーボ vs. ローカーボ論争に幕?
Dietary carbohydrate intake and mortality: a prospective cohort study and meta-analysis
背景
食事中炭水化物量に関する「low-carb/high-carb」論争には収束が必要である。Brigham and Women's HospitalのSolomonらは、ARIC study参加者15,428名のデータをもとにこの問題を検証した。一次アウトカムは全死因死亡であり、炭水化物からの摂取エネルギー量と全死因死亡との関連を検討した。さらに、ARIC結果と前向7研究のメタ解析結果を統合した解析も実施した。また、植物/動物由来のタンパク質・脂質のどちらが死亡率に影響を与えるのかも検証した。
結論
フォローアップ期間中央値25年で、ARICコホートでは、多因子調整後炭水化物由来エネルギー量と死亡率の関係はU型であり、炭水化物からのエネルギーが全エネルギーの50〜55%の場合に死亡率が最も低かった。全コホートのメタ解析でも、炭水化物からのエネルギー量が40%未満または70%以上の場合の死亡率上昇を確認した(pooled hazard ratio: 1.20)。しかし、この関連は栄養素の由来に左右され、炭水化物を動物由来タンパク質・脂質に変えると死亡率は上昇する一方、植物由来に変えると死亡率は低下した(0.82)。
評価
ハーバードの注意深い検証により、「low-carb/high-carb」論争に「中庸がよい、ただし菜食気味で」という結論を提示した。地中海食と和食との間近辺がグローバルな推奨となる可能性がある(https://silex-transl.com/ghr/meddiet/)。